駅に行って何が楽しいんだ?
という方は結構いると思うのですけど、
駅に対する観察眼を身につけると、
ほぼ無限に世界が広がるワンダーランドになるんです。
とはいえ、駅を巡っている人だけでとらえても、
微妙に楽しみ方が違っていたりします。
そこで、ここでは私個人として駅をどう楽しんでいるのかという私見を紹介しようと思います。
とにかく全て下車するというチャレンジングな旅だけでも充分楽しめますが、
(最初私はただ降りるだけでした)
駅観察を取り入れるともっと楽しくなります。
そんなわけで、駅の見所、探りどころを
いくつかご紹介します。
駅での待ち時間が楽しい時間に変わればなあ、と思います。
まず、列車から降りて最初に踏むホームからの眺めです。
「駅に着いたなあ」という実感とともに、ここからが駅訪問の始まりです。
ホームを横から見ると、「擁壁(ようへき)」もしくは「擁壁面」という壁が見えます。
鉄骨、レンガ、石積み、コンクリートと実に様々です。
中には地層のように段々嵩上げした過程が見て取れるものもあります。
(ホームの一例)
| ◆島式ホーム | ◆相対式ホーム |
| ◆頭端式ホーム | |
駅名標には、ホーム上にあるものや、ぶら下がっているもの、
壁にへばりついているもの等があります。
一つの駅で何種類もの駅名標があったりするので、
面白いというか、やっかいというか・・・・。
JRは会社別で色分けされているので分かりやすく、同じ形で違う色の駅名標を見ると、
「遠くに来たなあ」という実感がわいたりします。
国鉄時代から使われている駅名標は、いまはあまり見られません。
改札を出る前に渡るのが(渡らない時もありますが)跨線橋(こせんきょう)。
これもよく見ると実に様々なタイプがあります。
線路を歩いて渡る旅客通路はローカル線に多くあります。
駅構内踏切というのもあります。
ホーム上家(うわや)も観察しましょう。案外改築されたきれいな駅でも、
上家は昔のままというのはよくあります。
上家や跨線橋を支える柱をよく見てみると、
古レールが使われていることがあります。
中には100年以上も前のレールに出くわすこともあります。
昭和一桁以前、レールはほとんど輸入に頼っていた関係から、
年代が古くなるにつれ外国製レールとなります。
古レールの側面に社名や製造年が刻印されているのですが、
再利用時にペンキで塗られる為判読が非常に困難で、
すんなりと読み取れるのはむしろまれです。
イギリス「DARLINGTON IRON(ダーリントン・アイアン)」「CAMMELLS(キャンメル)」
ドイツ「UNION(ウニオン)」「KRUPP(クルップ)」
フランス「MICHEVILLE(ミッシュヴィーユ)」
アメリカ「CARNEGIE(カーネギー)」「COLORADO(コロラド)」「ILINOIS(イリノイ)」
などなど、何十社とあり、ものすごく奥が深いです。
都心などでは自動改札がどんどん増えますが、
ローカル線では無人駅がどんどん増える。
まあ、それはそれとして、駅の改札口も様々です。
木製の改札口は珍しいのでこれは嬉しくなりますね。
たいがい改札口の脇にある待合室も様々で、
地方の特産物が展示してあるところもあり興味が尽きません。
駅を出ると目の前に広がる駅前の風景。
タクシーの列やら、地元をアピールする看板があったり、あるいは何もなかったり・・・。
そしてメインとも言える駅舎の観察です。
今日降りた駅舎はどんな形の駅でしょうか?
駅舎がいつ建てられたかという、竣工日が書かれているプレートを
建物財産標(建物資産表)と言います。
多くは、駅出入口正面の柱の上部にありますが、これは駅によってまちまちです。
ホーム側の柱にある事もあれば、駅長室のドア上部にあったこともありました。
いくら探しても無いというのも結構あります。
はずされていたり、ペンキに塗りつぶされていたり・・・。
駅舎以外に、「便所」「上家」「倉庫」「跨線橋」にも財産標が
ついている場合もありますので根気よく探してみて下さい。
さて駅の周りには・・・
無くてはならないトイレ。駅の中にある場合と、外にしかない場合、
内にも中にもあるけれど一つの建物のトイレと
トイレも様々なタイプがあるんですね。
ローカル線に行けば、まだまだ戦前のトイレ、明治、大正時代のトイレが残っています。
たまーにあるのが危険品庫(ランプ小屋)。
鉄道創業時、電灯がまだ普及されていなかったことから、
室内灯や信号灯等は全て石油ランプだったそうで、
その重要であると同時に危険な石油を保管する場所として、
ランプ小屋/危険品庫が多く作られた、というわけだそうです。
今ではあまり活用されていないようですが、
全然使われていないというわけでもないようです。
そんな危険なにおいのする建物。
実用性重視の割には形が実に色々あって楽しめます。
さて、駅というのは実に様々な見所があるもので、
ここで紹介した物以外にもまだまだ突っ込みどころが豊富にあります。
全てを見ていては時間が掛かるし、知識も必要なので、
私などは、ここで紹介した物は極力見るようにしていますが、
必ずというわけでもないです。(特に古レールはキリがない)
躍起になってしまうと疲れるので(駅訪問数は躍起になっていますが・・・)
ほどほどに、楽しんで駅を見るようにしています。
鉄道考古学を歩く
JTBキャンブックス 浅野明彦
鉄道施設がわかる本 坂本衛
駅舎再発見
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駅旅のススメ―新『日本の駅舎』100選と訪ねたい駅風景40 杉崎行恭